まるで旧約聖書のノアの洪水の様に三日三晩降り続いた長雨、その長雨が止んで、今度はいきなり連日体温を上回る猛暑にヘキエキ、そこへまた逆走台風と、まさに異常な気象現象に立て続けに苛まれる今夏7月、エコーの活動は、8日の東山は土砂災害警戒情報発表中の為中止という異例の展開に、21日の節句山は、長雨の影響で林道脇の木が何本か根あがりして道を塞いでいる為、急遽その処理などを行い、28日のすがたには、こちらも長雨の後始末で、土砂が流れ抉れた林道の修復作業を行った。その後草刈りをする予定であったが、なんせこの猛暑、一段落ついての休憩が、そのまま流れ解散と相成ってしまった。この日は山に関心のある附属中学生3人が作業体験に訪れ、暫し草刈りや薪割りを体験していただいた。
一昨年の様な恐怖を感じる豪雨では無かったものの、とにかく降り続いた雨。五月山霊園に設置された雨量計で、降り始めからの総雨量を428o観測した。被害も出た。山の家の斜面の下部が一部崩れ、大広寺の横のドライブウェイ沿いの法面も一部崩れた。すがたに広場でも、前回土砂を削られたそのコースが、再び亀裂の様に深く抉り取られた。その深さが、降雨の時間の長さを物語っている様だった。
その先の法面の一部も崩壊していた。幸いにも園路脇に植えられたハッサクが踏ん張ってくれたお陰でか、大々的な崩落は免れ、園路横の土留めの為に置かれた大きな石も水の流路を妨げ、園路自体の崩壊を防いでくれていた。たき火の火床となっている所はまた土砂で埋まり、そこにこれ又センダンがすかさず芽生えていた。
でも不思議だ。何処にこの種が有ったのか?火床ゆえこの地中に埋土種子が有ったとは思えず、土砂がつもってから種が落ちたのか?土砂と共に運ばれて来たのか?芽生えのスイッチは何によって入るのか?いずれにしてもこのような自然の撹乱要因に乗じて繁殖する先駆植物としての力を改めて感じた。
高さ3m程の謂わば低木のハッサク、その木が長雨に耐え、崩落を食い止めてくれた事は、改めて植物の根の持つ防災、減災の力を感じさせてくれた。以前にも書いたが、根の張り方には大きく二通りあって、直根という主になる根が地中深くまで張り、そこから枝分かれした細い根が横に張っていく、謂わば木の姿を反転させた様な張り方をする、深根性の樹種と、細めの根がもやしの様に横に張っていく浅根性の樹種とがある。
針葉樹や竹は浅根性のタイプが多く、広葉樹は深根性のものが多い。また、実生の方が直根が深くまで入り、しっかりしている。まずは地上の枝葉より根から先に成長するからだ。ゆえに干魃にも耐性力が高い。その点植えられたものは、出荷前、根回しの段階で切られてしまうので、どうしても弱い。それでも、あればこの通りの活躍ぶり、こと防災という点から考えると、実生で生え出て来たものを大切に育てる、植えない造林施行が、荒ぶる気象時代の備えとしては今日的なのだろう。(中川勝弘)