長引く夏の名残の暑さが残る10月、エコーの活動は、14日に東山の天理教横の元竹林での作業、20日には節句山の南面で、27日はすがたに広場で、いずれも先月の台風21号で被害を受けた樹木の整理を行った。また、追加で8日にも有志が集まり、炭焼き小屋コース上部のアカマツ育成区でも風倒木の整理を行った。どこも根こそぎ、或は幹の途中から見事に引き裂かれた枝葉を伐採、まとめ、荒れ果てた山も少しは見栄えが良くなり、何とか安全に通行も出来る様になった。平日作業隊の人や、引き続きKさんの尽力の賜物だ!
五月山の南面から北側に回ると、その山肌の色合いの違いがハッキリと分かる。南面のくすんだ生気の無い色合いに比べ、北面はまるであの凶暴な台風の通過が無かったかの様に、萌え立つ深い艶やかな緑に包まれていた。Aさんの話によると、あの台風が大量に運んで来た海水が、枝葉に付着して枯れ上がった様になる、塩害に見舞われた為だと。そうだ!塩だ。塩が植生に影響すると言われるが、この違いを見ると納得。だから五月山のシイは元気なのだ。
シイ、タブやトベラに備長炭で有名なウバメガシなど、海岸に多い植物は、葉の表面にロウ質の物質でコーティングされたクチクラ層を発達させていて、塩や強い日差しから葉の組織を守っている。その為に潮風に晒されても平気、それ故に独特の海浜植物群落を形成している。同じ里山林でも、海の里山と山の里山では違うのだ。
そう言えば、みかんは潮風の当たる場所で良く育ち、おいしくなると言う。愛媛、和歌山、静岡、みかんの産地は海沿いだ。昔、池田でもみかんを栽培していた。節句山の南斜面もみかん畑だったと聞いた。という事は、今回の事象もことさらに珍しい事では無く、程度の差の問題なのだろうか。
山を整理するにつけ、今回の台風で山が本当に明るくなったと実感される。11月も間近の27日でも、広場のベンチに座っていると、ダイレクトに日差しが当たり暑い位だ。炭焼き小屋コースも、何処を通っても何処か明るい。本当に、ナラ枯れと台風で、五月山公園の森の佇まいは変わったなぁっとつくづく思う。さあこれが吉と出るか凶と出るか?
光を受けて、ツツジ類の花付きが良くなり、林床の草本類の発芽が促されれば、多様性が高まり吉と言えるが、シカの存在がどう出るか?それより、センダンやナンキンハゼという、撹乱に乗じて勢力を拡大してくる先駆植物が、明るくなった各所に、既に旺盛に顔を出していて気になる。このまま行くと、五月山の森も変質を来しそうだ。アカゲラなどキツツキ類を、いつもより良く見かけるのは、倒木が増えたお陰か?吉。山は、自然は、常ならざるが、このところそのスピードと程度に戸惑いを覚える
27日、大阪府立大学の緑地保全関係を専攻している学生がアンケート調査という事で、エコーの活動に参加した。自身の卒論の執筆の為に、府下の活動団体を訪問、合わせて一般人にもアンケートを取り、その意識の違いを探り、ギャップを掘り下げ、そこから里山の保全活動の方向性を考察していくという事で協力した。こういう若い人が珍しくなければ未来も明るいのだが…。 (中川勝弘)